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片麻痺治療の取り組み(リハビリテーション科)について
あおぞらブログ管理人の理学療法士の田中です。こんにちはm(_ _ )m。
今回はリハビリテーション科の片麻痺治療の実践について紹介している。

港南あおぞらでは、介護保険サービスのリハビリテーションで大切なことは、生活の質(QOL)を少しでも高めることと、できる限り介護度を維持・改善することだと考えています。
たとえば脳卒中後遺症の場合、当施設の利用を希望される利用者様は、ほとんどの方が発症して1年以上経過されている場合が多く、状態によりますが大きな身体機能の回復は見られない場合がほとんどです。
どのようなリハビリテーションになるのかというと、利用者自身がやりたいことを、やりたいときに、やりたいように行えることを目標として、そのために身体機能の障がいと上手くお付き合いをしながら、目的の動作を行うための、体の使い方を覚えていただくことが中心になります。

動画をご覧ください。



お一人では車いすから移ることができませんでした。いろいろ確認すると、身体機能に問題がないわけではありませんが、乗り移りする身体機能は充分に残っていました。そのため、この利用者様の身体状態に合った身体機能の使い方を覚えていただくようにしました。
結果、このように車いすからベッドへ乗り移りが可能になりました。



また、逆方向への乗り移りや、ご自身で装具の着脱も可能になりました。



様々なリハビリや介助方法の資料が多く出されていますが、その中に「正常な人間の、自然な動きに近づけるようなリハビリや介助方法が望ましい」と説明されているものが多く見受けられます。しかし、身体機能に何らかの障がいを持たれた方は、つまり身体の構造が変化しているということなので、障がいが無い人の自然な動きを利用者様に強いるのは無理があって当たり前です。特に乗り移りの動作では「中腰の状態で向きを変えるのが自然である」と説明される方もおられますが、それは問題のない人の場合であって、特に脳卒中後遺症の人にとっては大変なことであり、また向きを変える時も不安定になり危険です。

この利用者様の場合、中腰のまま向きを変えようとしていた為に、両下肢の使い方が上手くできずに自立できなかったようです。よってリハビリテーション科では平行棒の中で出来るだけまっすぐ立つことを練習していたところ、身体機能はほとんど変わっていませんが、目的の動作にあった自分なりの体の使い方を覚えることができ、お一人で車いすからベッドへ、ベッドから車いすへの乗り移りが可能になったと思われます。

「もっと麻痺した手や足が使えるようなリハビリがしたい!」と望まれる利用者様も当然おられます。その際は詳しく検査・評価した結果から、私たちの専門家としての考えを説明させていただき、利用者様ができるだけ納得いただけるような治療を提供できるよう努力しています。
また状態により、利用者様全員が今回の利用者様のように改善するとは限りませんが、状態に合わせた個別性の高い治療を提供できるように、リハビリ科独自の勉強会など行い努力しています。

今回ありがたいことに、利用者様とご家族様から動画使用の許可をいただきました。本当にご協力いただきましてありがとうございました。この場を借りまして御礼申し上げます。

(治療の参考・引用資料) 理学療法MOOK2 脳損傷の理学療法(2)

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